流行らせコラ!
この三年生コンビが好きです。
なるちかという幼なじみ的大天使デュオと、ゆきさわゆあというアイドルでマスターな三人組が世間的にも作中的にも確立されてるとは思うんですが、しかし有珠山麻雀部に最初に居たのはこの二人なのです。はじめににさわちかがありきなのです。途中入部とかそういう美味しくないのは考慮しない。
なにかお互い一筋縄ではいかなそうな二人が、一年間どんな仲だったのかひじょーに気になる所。なんだかんだで誓子ちゃんは、爽さんの悪ノリに付き合ってあげて二人でバカやってたと思うのです。
ちなみに爽さんへのツッコミレベルとしては
揺杏 → 止める気がない
成香 → 止められない
由暉子 → 速度、制圧力ともに高いが肝心要で守備範囲が狭い
誓子ちゃん → 制圧力は最高だが致命的に本気を出す場面が少ない
なイメージ。
どうもSSやイラストの影響で僕の中のちかちゃんは微腹黒サディストのけがある。
下級生が入部してからはそれぞれの相手の面倒見たりプロデュース業に精を出したりしてるけど、それでも足を止めて見てみると互いを一番わかりあってるのはこの二人だった、って関係性ありだと思います。気のおけない間柄、わかりやすい百合っぽくないバディ的な関係ってのが好きなのです。
まあ落書きでは思いっきりディープにキスさせるんですけど。
誓子ちゃんのほうが背が高いのが大きいポイントだと思います。
キス描くのむずい。
おまけなSS 注意 キャラ崩壊必至深刻
全部書いてから思った やりすぎた
成香「…………で、ホントにちかちゃんの言ったところにあったんですよ、忘れ物」
揺杏「へええ。そりゃお手柄だねぇ。のほほんとしてるだけかと思ったけど、結構頭切れるんだ」
成香「それはもう、昔からですよ! 学校の課題とかも、ずいぶんお世話になりましたし……」
揺杏「そこは成香もうちょいがんばろーよ」
成香「えへへ。それでですね、ほかにもちかちゃんは――」
揺杏「…………」
揺杏「……成香ってさ、よーく桧森先輩のこと話題に出すよねぇ?」
成香「え?」
揺杏「気づいてないの? 休み時間に『ちかちゃん』お昼食べながら『ちかちゃん』部活前に『ちかちゃん』……その単語聞かない日はないっていっても過言じゃないよー」
成香「ひゅえええっ!? そ、そんなことないように思いますというか、それは確かにちかちゃんは素敵な人ですけど――」アセアセ
揺杏「てゆーかさぁ」
成香「ふぇ?」
揺杏「ぶっちゃけ好きなん?」
成香「ひゃいいい!?」
揺杏「てゆーか好きだよね。成香、桧森先輩のこと語る時すっごい幸せそうだもん。これで惚れてなかったら逆に引くくらい」
成香「……ぅぅぅ……それはその……ちかちゃんが……」カオマッカ
揺杏「顔赤ドラみたいにしちゃってー。小学生かっての」
成香「」プシュー
揺杏「…………っ」
揺杏「…………」
揺杏「あー、でもさぁ」
成香「それは……確かにちかちゃんは小学生の頃から…………はい?」
揺杏「…………、」
揺杏「桧森先輩さあ、爽と付き合ってるよ?」
成香「…………」
成香「……っ、……っぇ?」
揺杏「だーから、桧森先輩は爽とデキてるって話。気づいてなかった? 気づいてないか。成香だし」
成香「……ぅ、そ」
揺杏「こんな嘘付かない。見たこと無い? 休日にあの二人が腕くんでイチャイチャしてるとこ。田舎はデートコースに乏しいから、そりゃ見つかったりもしますわな」
成香「でっ、でも、それは」
揺杏「ちなみにチューしてた」
成香「、」
揺杏「そらもうがっつりとしてた。測ってみたら11秒だった。つーか撮った。シャープにシュートしたぜ」
成香「……んな……そんなぁ……そんなことってぇ……
揺杏(おーおー、また見事に震えてきってらっしゃる)
揺杏(……ちぃとまずったな。感情的になった。もうすこし、対応の仕方を練ってから実行すべきだったのに。)
??「岩館先輩」
揺杏(だがなされてしまったものは仕方がない。この状況は元々必要な過程だったんだ。)
揺杏(大事なのはここからのフォロー。大丈夫、やってみせる――)
由暉子「岩館先輩!」
揺杏「うおお!?」
揺杏(この声はユキか! くそ、良くないタイミングで来られたもんだ)
揺杏(まあ桧森先輩でないだけましか。ここはとっととお帰り願うか)
揺杏「……っああ、ごめん。今ちょっと立て込んでて――」
揺杏「――由暉子、サン……?」
由暉子「はい真屋由暉子ですこんにちは岩館先輩そして」
揺杏「?」
由暉子「今の話は本当ですか」
揺杏「今の、って」
由暉子「獅子原先輩が桧森先輩と付き合っているなどという、戯言と呼ぶにすら汚らわしい悪魔のささやきのことですが」
揺杏(あ、もしかしてこれって)
由暉子「どうなんですか岩館先輩ほんとうなのですか私の獅子原先輩がもし万に一つも虚言だ冗談だなどという言葉を発したのならその時は」
揺杏「……その時は?」
由暉子「貴方の舌を磔にします。二度とそのようなくだらない嘘を弄させない」カチャリ
揺杏(地雷踏み抜いたァ)タラリ
揺杏「……いんや、残念なことに―― いや、ユキにとってはこっちのほうが残念なのか? ――本当だよ。爽と桧森先輩は付き合ってる。天地神明に誓うよ。誓子先輩の件だけに」
由暉子「――――――」
揺杏(……どうでる? 出口はひとつ。扉に近いのはユキのほうだ。身長差を考慮すれば無理やりいけそうではあるが――)
揺杏(私の後ろには成香がいる。未だカタカタ状態の成香が、だ。ユキが矛先を成香に変える可能性は少ないだろうが――)
揺杏(――万に一つも、成香に傷ついてほしくない。)
揺杏(さァ、どうすんだ?)
由暉子「――わかりました」ニッコリ
揺杏「へ?」
由暉子「そうなのでしたら、先輩は磔にはしませんよ。理由がありません」カチャカチャ
揺杏「あ、ああ…そう」
揺杏(私“は”って)
由暉子「それにしても獅子原先輩はイケない人だと思いませんか? あの人が私をほしいと言ってくれたのに。あの人が、自分には私のことが必要だって、言ってくれたのに。誰かとお付き合いすることは考えていないんですかと尋ねた時に、今は君だけを見ていたいと、言ってくれたのに。だからあんな服だって。先輩の、似合ってるよ、の一言が、私の全てを肯定してくれるから貴方の声が録音して一時間ごとに聞いてるけど肉声にはどうしたってかなわないなでてくれる貴方の手が切り落としてずっと頭にかざしておきたい贅沢を言うなら私の手を代わりにあげて日がな手に口づけがほしいのですけどそしていつも私をその中に閉じ込める貴方の瞳
揺杏(前からちょっぴりだけ爽に気があるような素振りは見えてたけどさァ……)
これを言ったら笑いますか? 私貴方の瞳の中にハートのようなものが見えるんですきっとあな
揺杏(『アイドルに特定の恋人がいるのはマズイんで、そっち方面にはお固そうなのも決め手だZE☆』なんて言ってたのはどこのどいつだァ……)
たの私への想いが溢れんばかりなのを自然とわかってしまうんですよね目は口ほどにものを言う
揺杏(お互い人を見る目ねーなー、爽)
って本当なんですねそんなに私を想ってくれてる先輩がまさか私以外の女となんて嘘嘘嘘嘘嘘
由暉子「……それとも私をアイドルとしてクリーンな身にするために涙を呑んで身を引いているのでしょうか。ああきっとそうに違いないですね。もう、私は貴方に汚されるためならなんだってするのに。あの人は奥のほうではすごく人を思いやれるひとですから、しょうがないですけどね。知ってます? 獅子原先輩のお部屋の鍵付きの引き出しに入ってる日記帳、半分以上私への真摯な想いで占められているんですよ。今日のユキもかわいかったな、とても私の好みだよって。だから獅子原先輩の半分は私で出来ているんです。全部じゃないのはとても悲しいですけど。日記の中くらい、想いを全て吐露してもいいと思うのですけどねそうそう獅子原先輩は普段私のことを『ユキ』って呼ぶじゃないですかでも日記の中では律儀に『由暉子』って書くんですよ
揺杏(……だーいぶ都合よく脳内脚色されてんな。てかどうやって見た)
この辺り獅子原爽という人間を端的に表して非常に可愛いと思うのですがあれを一読すれば
揺杏(そしてその引き出しが二重底になってるのも気づいてないっぽいね)
先輩がどれだけ私を想ってくれているかが細胞の一つ一つまで理解できるというものですア
揺杏(桧森先輩とのイチャコラが存分に綴られている、口から砂糖ぶちまけそうな程ダダ甘の、真の意味での秘め事日記にも)
レを読んで私は永遠の安らぎを手に入れたはずなのにナゼ? 先輩の気持ちはただひとつ
由暉子「……となるとやっぱり桧森先輩ですかね私と獅子原先輩との赤い糸を踏みにじっているのは私だけの先輩をさながらエデンの蛇のように誘惑するのは何の権利があってそんなことができるのですか私より2年以上もいっしょにいるから? 残念ですね貴方が一緒にいた時間はこの三年目で止まったままになる。対して私は彼女が死ぬまで共にあり続けるほら私のほうがずうっと先輩と一緒にいる期間が長いじゃないですかナノにドウして邪魔立てなんか出来るの許せない私のほうが愛されているのに許さない赦さない釈さないゆるさないユルサナイ☓す☓す☓す☓す☓☓☓落ち着かなくてはいけない刺☓ここで感情のままに暴走しては獅子原先輩と二度と会えない人生になってしまうかもしれません絞☓いえ彼女を☓したところで先輩が何か傷つく可能性などチリのひと粒もありはしないのですが轢☓いいえきっと『よく頑張ったね、ユキ』ととびっきりの笑顔で迎
揺杏(……どうやら我々は完全に標的から外れたようである)
えてくれるに違いないのですけど撲☓世界はそれを許さない。主が十字を背負わされ街中に石
揺杏(これ幸い、と私は未だ放心状態の成香の手を取って部室からすたこらした)
を投げつけられたように呪☓だから先走ってはいけないだから落ち着かなくてはいけないので
揺杏(逃げてる間中成香の赤子のような柔らかな手のひらの感触がずっとあって、結構幸せだった)
すさあ心を鎮めましょう素数では芸がありませんねそういえば私最近ずっと悩んでることがある
んですが私と獅子原先輩は将来結婚するのですけどその時にどちらの姓に合わせたら良い
揺杏「ここまで来ればとりま安泰かなァ」
ものかと思いまして。私の方に合わせると『まやさわや』となって非常に語呂が悪いじゃないで
揺杏(サァて)
すか。アの母音が5つ連続で並ぶところとか両方“や”で終わるところとか。ですから私は先輩
揺杏(考えるまでもなく私は今日押してはならないスイッチを押してしまった)
の姓に合わせたいのですけど、『獅子原由暉子』は流石に画数が多すぎではないかと思いま
揺杏(しかも二人同時に。悪いことに、片方は核ミサイルのそれをだ)
して。当然先輩から頂いた姓を無碍になど出来るわけがありませんので選択肢は自然と私が
揺杏(きっとすぐにあの二人にも弾は達する。下手すりゃうちらの人間関係大暴発だ)
改名する以外に無いじゃないですか。でもそれではもう二度と先輩に『ユキ』と呼んでもらえま
揺杏(……いや、考えるのはナシだ。元々決めてたじゃないか)
せんので、とっても寂しいです。やっぱり『獅子原由暉子』ですね。いい名前じゃないですか、
揺杏(私はこの子を)
無駄に仰々しくて。ところでもう結婚してるというのにいい加減先輩呼びも失礼ですよね。どう
揺杏(桧森誓子に淡い恋心を抱き続け)
しましょうか。……爽、さん。……まだちょっと恥ずかしいですね。
成香「…………」ブツブツ
なんて言ってる間に少し落ち着いてきましたね。いや爽、さんのことを考えるだけで本来心臓
揺杏(無残にもあっという間に崩れ去った哀れな少女を)
はじけ飛んでるんですがそれはベクトルが違うということで一つ。
揺杏(最終的に手に入れるって)
では落ち着いたところで、桧森先輩を穏便に始末する作戦を考えましょうか。
揺杏(覚悟を決めろ)
いえば爽、さんにも手伝ってくれるんでしょうが……桧森先輩に感づかれやすくなりそうですし。
揺杏(手段を選ぶな)
今回は、一人で頑張って、さわやさん、に褒めてもらいましょう。
揺杏(今は、それだけ、を考えるんだ)
決まってしまえば、なんて清々しい気分。私の想いを、世界に聞いてもらいたい。
そう、今私は、これだけ、で満ちている」
揺杏「本内成香を、私のものにする」
由暉子「獅子原爽は、私のものである」
こんな感じの有珠山高校修羅場SSが読みたいので誰か書いてくださいお願いします。
僕は方向性を見失った
19:30追記 誰か気づいた?
この三年生コンビが好きです。
なるちかという幼なじみ的大天使デュオと、ゆきさわゆあというアイドルでマスターな三人組が世間的にも作中的にも確立されてるとは思うんですが、しかし有珠山麻雀部に最初に居たのはこの二人なのです。はじめににさわちかがありきなのです。途中入部とかそういう美味しくないのは考慮しない。
なにかお互い一筋縄ではいかなそうな二人が、一年間どんな仲だったのかひじょーに気になる所。なんだかんだで誓子ちゃんは、爽さんの悪ノリに付き合ってあげて二人でバカやってたと思うのです。
ちなみに爽さんへのツッコミレベルとしては
揺杏 → 止める気がない
成香 → 止められない
由暉子 → 速度、制圧力ともに高いが肝心要で守備範囲が狭い
誓子ちゃん → 制圧力は最高だが致命的に本気を出す場面が少ない
なイメージ。
どうもSSやイラストの影響で僕の中のちかちゃんは微腹黒サディストのけがある。
下級生が入部してからはそれぞれの相手の面倒見たりプロデュース業に精を出したりしてるけど、それでも足を止めて見てみると互いを一番わかりあってるのはこの二人だった、って関係性ありだと思います。気のおけない間柄、わかりやすい百合っぽくないバディ的な関係ってのが好きなのです。
まあ落書きでは思いっきりディープにキスさせるんですけど。
誓子ちゃんのほうが背が高いのが大きいポイントだと思います。
キス描くのむずい。
おまけなSS 注意 キャラ崩壊必至深刻
全部書いてから思った やりすぎた
成香「…………で、ホントにちかちゃんの言ったところにあったんですよ、忘れ物」
揺杏「へええ。そりゃお手柄だねぇ。のほほんとしてるだけかと思ったけど、結構頭切れるんだ」
成香「それはもう、昔からですよ! 学校の課題とかも、ずいぶんお世話になりましたし……」
揺杏「そこは成香もうちょいがんばろーよ」
成香「えへへ。それでですね、ほかにもちかちゃんは――」
揺杏「…………」
揺杏「……成香ってさ、よーく桧森先輩のこと話題に出すよねぇ?」
成香「え?」
揺杏「気づいてないの? 休み時間に『ちかちゃん』お昼食べながら『ちかちゃん』部活前に『ちかちゃん』……その単語聞かない日はないっていっても過言じゃないよー」
成香「ひゅえええっ!? そ、そんなことないように思いますというか、それは確かにちかちゃんは素敵な人ですけど――」アセアセ
揺杏「てゆーかさぁ」
成香「ふぇ?」
揺杏「ぶっちゃけ好きなん?」
成香「ひゃいいい!?」
揺杏「てゆーか好きだよね。成香、桧森先輩のこと語る時すっごい幸せそうだもん。これで惚れてなかったら逆に引くくらい」
成香「……ぅぅぅ……それはその……ちかちゃんが……」カオマッカ
揺杏「顔赤ドラみたいにしちゃってー。小学生かっての」
成香「」プシュー
揺杏「…………っ」
揺杏「…………」
揺杏「あー、でもさぁ」
成香「それは……確かにちかちゃんは小学生の頃から…………はい?」
揺杏「…………、」
揺杏「桧森先輩さあ、爽と付き合ってるよ?」
成香「…………」
成香「……っ、……っぇ?」
揺杏「だーから、桧森先輩は爽とデキてるって話。気づいてなかった? 気づいてないか。成香だし」
成香「……ぅ、そ」
揺杏「こんな嘘付かない。見たこと無い? 休日にあの二人が腕くんでイチャイチャしてるとこ。田舎はデートコースに乏しいから、そりゃ見つかったりもしますわな」
成香「でっ、でも、それは」
揺杏「ちなみにチューしてた」
成香「、」
揺杏「そらもうがっつりとしてた。測ってみたら11秒だった。つーか撮った。シャープにシュートしたぜ」
成香「……んな……そんなぁ……そんなことってぇ……
揺杏(おーおー、また見事に震えてきってらっしゃる)
揺杏(……ちぃとまずったな。感情的になった。もうすこし、対応の仕方を練ってから実行すべきだったのに。)
??「岩館先輩」
揺杏(だがなされてしまったものは仕方がない。この状況は元々必要な過程だったんだ。)
揺杏(大事なのはここからのフォロー。大丈夫、やってみせる――)
由暉子「岩館先輩!」
揺杏「うおお!?」
揺杏(この声はユキか! くそ、良くないタイミングで来られたもんだ)
揺杏(まあ桧森先輩でないだけましか。ここはとっととお帰り願うか)
揺杏「……っああ、ごめん。今ちょっと立て込んでて――」
揺杏「――由暉子、サン……?」
由暉子「はい真屋由暉子ですこんにちは岩館先輩そして」
揺杏「?」
由暉子「今の話は本当ですか」
揺杏「今の、って」
由暉子「獅子原先輩が桧森先輩と付き合っているなどという、戯言と呼ぶにすら汚らわしい悪魔のささやきのことですが」
揺杏(あ、もしかしてこれって)
由暉子「どうなんですか岩館先輩ほんとうなのですか私の獅子原先輩がもし万に一つも虚言だ冗談だなどという言葉を発したのならその時は」
揺杏「……その時は?」
由暉子「貴方の舌を磔にします。二度とそのようなくだらない嘘を弄させない」カチャリ
揺杏(地雷踏み抜いたァ)タラリ
揺杏「……いんや、残念なことに―― いや、ユキにとってはこっちのほうが残念なのか? ――本当だよ。爽と桧森先輩は付き合ってる。天地神明に誓うよ。誓子先輩の件だけに」
由暉子「――――――」
揺杏(……どうでる? 出口はひとつ。扉に近いのはユキのほうだ。身長差を考慮すれば無理やりいけそうではあるが――)
揺杏(私の後ろには成香がいる。未だカタカタ状態の成香が、だ。ユキが矛先を成香に変える可能性は少ないだろうが――)
揺杏(――万に一つも、成香に傷ついてほしくない。)
揺杏(さァ、どうすんだ?)
由暉子「――わかりました」ニッコリ
揺杏「へ?」
由暉子「そうなのでしたら、先輩は磔にはしませんよ。理由がありません」カチャカチャ
揺杏「あ、ああ…そう」
揺杏(私“は”って)
由暉子「それにしても獅子原先輩はイケない人だと思いませんか? あの人が私をほしいと言ってくれたのに。あの人が、自分には私のことが必要だって、言ってくれたのに。誰かとお付き合いすることは考えていないんですかと尋ねた時に、今は君だけを見ていたいと、言ってくれたのに。だからあんな服だって。先輩の、似合ってるよ、の一言が、私の全てを肯定してくれるから貴方の声が録音して一時間ごとに聞いてるけど肉声にはどうしたってかなわないなでてくれる貴方の手が切り落としてずっと頭にかざしておきたい贅沢を言うなら私の手を代わりにあげて日がな手に口づけがほしいのですけどそしていつも私をその中に閉じ込める貴方の瞳
揺杏(前からちょっぴりだけ爽に気があるような素振りは見えてたけどさァ……)
これを言ったら笑いますか? 私貴方の瞳の中にハートのようなものが見えるんですきっとあな
揺杏(『アイドルに特定の恋人がいるのはマズイんで、そっち方面にはお固そうなのも決め手だZE☆』なんて言ってたのはどこのどいつだァ……)
たの私への想いが溢れんばかりなのを自然とわかってしまうんですよね目は口ほどにものを言う
揺杏(お互い人を見る目ねーなー、爽)
って本当なんですねそんなに私を想ってくれてる先輩がまさか私以外の女となんて嘘嘘嘘嘘嘘
由暉子「……それとも私をアイドルとしてクリーンな身にするために涙を呑んで身を引いているのでしょうか。ああきっとそうに違いないですね。もう、私は貴方に汚されるためならなんだってするのに。あの人は奥のほうではすごく人を思いやれるひとですから、しょうがないですけどね。知ってます? 獅子原先輩のお部屋の鍵付きの引き出しに入ってる日記帳、半分以上私への真摯な想いで占められているんですよ。今日のユキもかわいかったな、とても私の好みだよって。だから獅子原先輩の半分は私で出来ているんです。全部じゃないのはとても悲しいですけど。日記の中くらい、想いを全て吐露してもいいと思うのですけどねそうそう獅子原先輩は普段私のことを『ユキ』って呼ぶじゃないですかでも日記の中では律儀に『由暉子』って書くんですよ
揺杏(……だーいぶ都合よく脳内脚色されてんな。てかどうやって見た)
この辺り獅子原爽という人間を端的に表して非常に可愛いと思うのですがあれを一読すれば
揺杏(そしてその引き出しが二重底になってるのも気づいてないっぽいね)
先輩がどれだけ私を想ってくれているかが細胞の一つ一つまで理解できるというものですア
揺杏(桧森先輩とのイチャコラが存分に綴られている、口から砂糖ぶちまけそうな程ダダ甘の、真の意味での秘め事日記にも)
レを読んで私は永遠の安らぎを手に入れたはずなのにナゼ? 先輩の気持ちはただひとつ
由暉子「……となるとやっぱり桧森先輩ですかね私と獅子原先輩との赤い糸を踏みにじっているのは私だけの先輩をさながらエデンの蛇のように誘惑するのは何の権利があってそんなことができるのですか私より2年以上もいっしょにいるから? 残念ですね貴方が一緒にいた時間はこの三年目で止まったままになる。対して私は彼女が死ぬまで共にあり続けるほら私のほうがずうっと先輩と一緒にいる期間が長いじゃないですかナノにドウして邪魔立てなんか出来るの許せない私のほうが愛されているのに許さない赦さない釈さないゆるさないユルサナイ☓す☓す☓す☓す☓☓☓落ち着かなくてはいけない刺☓ここで感情のままに暴走しては獅子原先輩と二度と会えない人生になってしまうかもしれません絞☓いえ彼女を☓したところで先輩が何か傷つく可能性などチリのひと粒もありはしないのですが轢☓いいえきっと『よく頑張ったね、ユキ』ととびっきりの笑顔で迎
揺杏(……どうやら我々は完全に標的から外れたようである)
えてくれるに違いないのですけど撲☓世界はそれを許さない。主が十字を背負わされ街中に石
揺杏(これ幸い、と私は未だ放心状態の成香の手を取って部室からすたこらした)
を投げつけられたように呪☓だから先走ってはいけないだから落ち着かなくてはいけないので
揺杏(逃げてる間中成香の赤子のような柔らかな手のひらの感触がずっとあって、結構幸せだった)
すさあ心を鎮めましょう素数では芸がありませんねそういえば私最近ずっと悩んでることがある
んですが私と獅子原先輩は将来結婚するのですけどその時にどちらの姓に合わせたら良い
揺杏「ここまで来ればとりま安泰かなァ」
ものかと思いまして。私の方に合わせると『まやさわや』となって非常に語呂が悪いじゃないで
揺杏(サァて)
すか。アの母音が5つ連続で並ぶところとか両方“や”で終わるところとか。ですから私は先輩
揺杏(考えるまでもなく私は今日押してはならないスイッチを押してしまった)
の姓に合わせたいのですけど、『獅子原由暉子』は流石に画数が多すぎではないかと思いま
揺杏(しかも二人同時に。悪いことに、片方は核ミサイルのそれをだ)
して。当然先輩から頂いた姓を無碍になど出来るわけがありませんので選択肢は自然と私が
揺杏(きっとすぐにあの二人にも弾は達する。下手すりゃうちらの人間関係大暴発だ)
改名する以外に無いじゃないですか。でもそれではもう二度と先輩に『ユキ』と呼んでもらえま
揺杏(……いや、考えるのはナシだ。元々決めてたじゃないか)
せんので、とっても寂しいです。やっぱり『獅子原由暉子』ですね。いい名前じゃないですか、
揺杏(私はこの子を)
無駄に仰々しくて。ところでもう結婚してるというのにいい加減先輩呼びも失礼ですよね。どう
揺杏(桧森誓子に淡い恋心を抱き続け)
しましょうか。……爽、さん。……まだちょっと恥ずかしいですね。
成香「…………」ブツブツ
なんて言ってる間に少し落ち着いてきましたね。いや爽、さんのことを考えるだけで本来心臓
揺杏(無残にもあっという間に崩れ去った哀れな少女を)
はじけ飛んでるんですがそれはベクトルが違うということで一つ。
揺杏(最終的に手に入れるって)
では落ち着いたところで、桧森先輩を穏便に始末する作戦を考えましょうか。
揺杏(覚悟を決めろ)
いえば爽、さんにも手伝ってくれるんでしょうが……桧森先輩に感づかれやすくなりそうですし。
揺杏(手段を選ぶな)
今回は、一人で頑張って、さわやさん、に褒めてもらいましょう。
揺杏(今は、それだけ、を考えるんだ)
決まってしまえば、なんて清々しい気分。私の想いを、世界に聞いてもらいたい。
そう、今私は、これだけ、で満ちている」
揺杏「本内成香を、私のものにする」
由暉子「獅子原爽は、私のものである」
こんな感じの有珠山高校修羅場SSが読みたいので誰か書いてくださいお願いします。
僕は方向性を見失った
19:30追記 誰か気づいた?